生命を見つめるフォト&エッセー

受賞作品

第9回エッセー部門

第9回入賞作品 − 小学生高学年の部(4~6年生) 
文部科学大臣賞

かわいそう

青山 栞奈(10)京都府

 私は人から「かわいそうだね」と、言われることがあります。それはたぶん、学校に行き授業を受ける、公園で思いっきり遊ぶなど病気で小学生としての当たり前の生活を送ることが難しく、そのことを心配されるからかもしれません。

 私の体からは汗がほとんど出ません。体温が上がる時に痛くてかゆいじんましんが出て、熱中症にもなりやすいです。そのため、暑い季節は今日が何曜日か分からなくなるくらい家の中で過ごしています。家の中にいても熱が出て体がだるく、トイレに行くことも辛い時があります。学校に行ける時もろうかが暑い時期は教室に行くだけで疲れてしまいます。

 授業中に、じんましんが出てえんぴつが持てない時は、先生の話を集中して聞いて、後でノートをまとめ直すこともあります。

 私にとって、体温が上がらないように気をつけること、体調が悪くなること、薬を飲んだり注射を打つこと、病院に行くことは当たり前の生活です。また、泣いて、悲しんで私の病気が治るのならたくさん泣きますが、治りません。明日の体調がどうかこれからどうなっていくか心配しても分かりません。それなら、できないことは私なりに工夫をしてできることを全力でがんばり、楽しみたいです。

 今日という一日はみんなも私も同じです。そんな大切な一日を笑顔で過ごしたいです。みんな、いつも私のことを心配してくれてありがとう。移動教室の時は車椅子を押してくれたり、外に出る時は背伸びをして日かげを作って太陽の暑さから守ってくれるなどみんなのやさしい気持ちは伝わっています。

 けれど、みんなの気持ちが分かるからこそ言えなかったことがあります。それは、病気があっても私は私で、自分をかわいそうだとは思っていません。なので、「かわいそう」ではなく、「がんばっているね」と声をかけてもらえるとうれしいです。行事や授業は休みが多く、参加することができてもみんなと同じように動けないけれど、私なりの参加の仕方で一緒にいるだけでも楽しいです。学校に行けず、一人でいる時、その楽しかった思い出が私を支えてくれています。

 病気と一緒に生活をしていて感じることがあります。それは、どんな時でも自分で楽しみを見つけ、幸せを感じながら生活をすることが誰にとっても大切なのではないかということです。体調が悪い時が他の人より多く、自由に動き回ることも難しいけれど、病気が私の生活の全てではありません。私は読書や料理、ハムスターのお世話が好きです。好きなことを大切にして、これからも病気でかわいそうな私ではなく、できる時にできることをがんばりながら病気でも自分らしく生活を楽しみたいです。どんな人でも人生は一度きりだから。

(敬称略・年齢、学年などは応募締め切り時点)
(注)入賞作品を無断で使用したり、転用したり、個人、家庭での読書以外の目的で複写することは法律で禁じられています。

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