生命を見つめるフォト&エッセー

受賞作品

第5回エッセー部門

第5回入賞作品 − 小学生の部 
優秀賞

「今まで ありがとう」

岡田 藍生(8)岐阜県

 こんにちは。私の名前は、岡田藍生です。今年の春、京都のおばあちゃんが亡くなってしまいました。私はこの事を知った時、とてもかなしかったです。

 おそう式の日、おばあちゃんが住んでたお家にひさしぶりに行きました。コロナだったから1年いじょう行けなかったのです。おばあちゃんの家は古くて大きくて、とても落ちつきました。まもなくおぼうさんがやってきて、長い時間おきょうをとなえてくれました。ポンポンたたく木ぎょの音がおもしろくて、少し笑ってしまいました。おきょうが終わると、かんおけに、おばあちゃんの宝物や、お花をしきつめました。おばあちゃんはとてもきれいでした。私は、おばあちゃんにそっくりだから、うれしかったです。

 そのあとおばあちゃんを火そう場のオーブンでやきました。やいていると中は、すごくドキドキしました。1時間くらいまちました。やき終わったら、さっきまであった肉体がなくなっていました!! ほねだけになっていました。

 でも、涙は出ませんでした。なぜなら、かんおけに入れた、おばあちゃんの大好きなシュークリームやヨーヨーやお花がなくなっていたので、「天国にもって行ったんだね」と、うれしく思ったからです。おばあちゃんが生きていた時に、3人のお兄ちゃんの写真を見せてくれました。お兄ちゃんたちは、戦争で亡くなったそうです。だから久しぶりに3人に会えて、大よろこびしてると思いました。きっと私が作ったヨーヨーで、きょうだい仲よく遊んでいると思います。おばあちゃんのおそう式をしてくれた人が、「せんそうがはじまる前に育った人だから、ほねがじょうぶですね。」とほめてくれた事もうれしかったです。97才の小さなおばあちゃんを、急に、大きくほこらしく感じました。

 私は、はじめて人のほねをさわりました。小さいほねや、大きいほねなどたくさんありました。パリパリしていて、おるとポキポキといいました。みんなで、わらいながら、いっぱいさわりました。楽しい記おくです。

 これからも、大切な人が亡くなる場面に出合うと思います。でも、そんな時は「悲しい」は少しの時間にして、「今までどうもありがとう」という気持ちでいたいです。すると、亡くなるという事が、思い出をふり返るすてきな時間になると思います。私は毎日、おばあちゃんの形見の「つげのくし」に手を合わせて、「ありがとう。」と言っています。

 毎日のニュースで、小さいお友だちが色々な理由で亡くなっているのを見て、とてもつらいです。でも、どんな「死」も、思い出をふりかえるチャンスにかえて、仲よしだった人や家族の人は、わらって生きてほしいです。

(敬称略・年齢、学年などは応募締め切り時点)
(注)入賞作品を無断で使用したり、転用したり、個人、家庭での読書以外の目的で複写することは法律で禁じられています。

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