生命を見つめるフォト&エッセー

受賞作品

第1回エッセー部門

第1回入賞作品 − 小学生の部 
最優秀賞

「わたしがうさぎに伝えたい気持ち」

新池谷 悠(11)群馬県

 わたしは、友達の家にいるうさぎのことが大好きでした。なぜならわたしは、そのうさぎをだっこすると、温かい気持ちになれたからです。

 しかし、今年の5月に、この大好きだったうさぎが死んでしまいました。その時、わたしは悲しさのあまり泣いてしまいました。友達といっしょにおはかにうめてあげましたが、わたしは、うさぎが死んでしまったことを、なかなか受け止められませんでした。うでの中にうさぎをだっこした時のやわらかい感しょくやぬくもりが、残っていたのです。

 それから1か月ほどして、友達の知り合いにうさぎをもらえることになり、わたしは、前のうさぎの分まで大事に育てようと心に決めました。しかし、そのうさぎは、わたしがだっこをすると、あばれたり、けったりするので、わたしは、びっくりしました。でも、わたしは、えさをひざの上であげるなどして、うさぎがだっこになれる方法を考えました。そして、何とかなかよくなりたいと思いました。

 うさぎは、わたしのひざの上でえさを食べるようにはなりました。でも、うさぎはだっこがきらいみたいで、えさがない時にだこうとすると、わたしをけります。そうなると、わたしはとても悲しい気持ちになります。なぜなら、「好きだよ」という気持ちをこめて、うさぎをだっこしているのに、それが伝わらないからです。そんな時、わたしは、前のうさぎに会いたくなります。そして、もっとかわいいうさぎがほしくなったりもします。

 3か月たった今も、うさぎは、わたしにきちんとだっこされてくれません。でも、頭をなでさせてくれたり、えさをもらう時にはおねだりで、手をわたしのかたに乗せてくれます。その時は、うれしい気持ちになります。

 わたしは、うさぎの気持ちを知りたい、と思っています。うさぎは、頭や身体をなでてあげると、目を閉じておとなしくしているので、だっこがきらいなだけで、わたしのことがきらいなわけではないのかな。そして、うさぎをだっこしたいのは、わたしの望みであって、うさぎの望みではないのかもしれないことに気付きました。わたしは、うさぎをだっこして、温かい気持ちになりたいけれど、うさぎにも個性や気持ちがあって、ぬいぐるみのようにはならないことが分かりました。だから、わたしの思い通りにはならないけれど、うさぎがしてほしいことをさがしてみよう、と思いました。また、自分が想像していたうさぎとはことなるけれど、わたしがあずかった命なので、責任を持って最後までお世話をしたいです。

 わたしは、今でも死んでしまったうさぎが大好きで、会いたいです。でも、今、わたしの家にいるうさぎのことも大切にして、大好きの気持ちを前のうさぎに負けないくらい大きくしたいと思っています。いつかは、わたしのうさぎへの気持ちが伝わるといいな。

(敬称略・年齢、学年などは応募締め切り時点)
(注)入賞作品を無断で使用したり、転用したり、個人、家庭での読書以外の目的で複写することは法律で禁じられています。

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